メーリングリストの構想とルールを作ろう
メーリングリストは誰でも手軽に作ることができ、手続きさえすればすぐにはじめられます。だからといって、ただ作れば人が集まって自然に話が盛り上がるというものではありません。メーリングリストを作り主催者つまりオーナーになった以上、人を招いたら楽しんでもらえる場を築いていく積極的な努力をしていかなければなりません。そのためには、メーリングリストを作る前にどんな趣旨で、そしてどんな話題で盛り上げていくかなどの構想を練る準備が大切です。また、メーリングリストで活動するということは、必然的にグループのような組織となるので、相応のルールも設けていかなければなりません。これらは、人の集まる場を提供していくにあたって欠かせない仕事です。
今回は、メーリングリストをはじめるための最初の準備作業として、構想の立て方とルール作りについて話をしていきます。なお、これからの話はインターネットで大勢の人を集めて活動する公開メーリングリスト(Step15参照)を対象として進めていきます。非公開でも、卒業生同士の交流など開設者自身も面識のない人を集めたメーリングリストを想定している場合は参考にしてください。
メーリングリスト開設は次のサイトもあわせて参考にどうぞ
▼メーリングリスト開設の手引き
http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/ml
今回は特にこちらが役立ちます。
▼「MLの目的・趣旨をはっきりと」
http://www.kt.rim.or.jp/~atsato/ml/install/concept.html
構想ってなぜ必要なの?
「メーリングリストをはじめるのに、どうして構想を立てるなど面倒な準備が必要なの?」と思う人もいるかもしれません。でもこれはとても大切なことなのです。なぜなら、メーリングリストをはじめるということは、インターネット中にいる、初めて知り合う人たちを募ってパーティを催すのと同じだからです。どんな趣向で多くの人たちといっしょに楽しんでいくか具体的な計画がなければ、興味をもって参加してきてくれた人は様子がわからず失望してしまうかもしれません。このとき、「そのうち何とかなるさ」と考えるのは禁物です。人をがっかりさせるという行為は主催する上で好ましいとはいえないからです。もし、自分が逆の立場だったら気分が悪いですよね。どんな目的で、どんな話題で盛り上がりたいか、参加してくれる人が楽しんで、いっそうの盛り上げに貢献してもらうためにも、メーリングリストをはじめた人がまず構想を立てて率先して活動していくようにしなければなりません。
何もしなくてもメーリングリストは盛り上がると考えないように
「メーリングリストを作れば自然と人が集まって話題が出てきてどんどん盛り上がる…」という空想は禁物です。このような夢物語でメーリングリストを作ると、結果として存在しているだけで活動のないメーリングリストになってしまいます。
メーリングリストは、はじめた人がこんな話を中心に進めていきたいと積極的に活動していかないと参加者はついてきません。メーリングリスト名だけではどんな話をしていいのかわからないのです。参加者は自由に何をしてもよいと言われても、肝心の主催者に具体的なイメージがなかったら、何をどうしてよいのかわかりません。
構想を練ったり、具体的な方針を立てていくのは実際に活動していく上で大切です。メーリングリストを作っただけでそれっきりとならないよう、はじめのうちに心がけましょう。
どんなメーリングリストにするか考えよう
メーリングリストをはじめる段階では、誰しも「メーリングリスト名」までは考えついているはずです。今説明したように、この段階で開設しては準備不足。もう少し具体的な構想をまとめていきましょう。
たとえば、同世代が集まるフリートークのメーリングリストを作る計画を立てたとします。「同じ仲間同士楽しくおしゃべりをしましょう」というと、最初はわくわくしますが、いざはじめたとき、どんな話をしてよいか、どんな雰囲気にしていくのがよいのか、はじめた本人も、興味をもって参加してきた人もイメージがわきません。「作ってから考える」では入ってきた人に失礼です。何よりも万全の準備をしないで船出をしたらきっと途中で漂流してしまうでしょう。
構想を練るのはさほど難しくはありません。自分の思い描いているイメージをできる限り筆記してまとめるだけで結構できあがります。まとめ方としては次のようにします。
趣旨:メーリングリストの目的や活動内容を簡潔にまとめます。自分がメーリングリストをはじめようと思ったきっかけを書き記していくと、おのずとまとまっていきます。そして、どんな人が参加してほしいかを付け加えれば、参加対象が決まります。
活動内容:参加希望者がメーリングリストをイメージしやすくするためにも、具体的な内容にまとめるのが大切です。再び、同世代のフリートークメーリングリストを例にすると…
・日頃の仕事での独り言
・アフター5の過ごし方
・将来の悩み
・日頃人には言えないグチもOK
・みんなでバーベキューパーティの計画もあり
といったように、こんなことができたらいいなという内容をリストアップします。これは大変なようで実はとても楽しい悩みです。考えているうちにあれこれ新しいアイデアが浮かび上がってきてわくわくしてきます。思い思いのイメージを描いてみましょう。
趣旨と活動内容が決まったら、これらをまとめ上げます。FreeMLでは紹介用に、100文字以内と1000文字の二種類の文章を用意します。開設手続き前にじっくり練り上げておきましょう。これで、構想と紹介文の作成ができたので、次のステップへ進みます。
ルールを作ろう
公開メーリングリストではルールを定めるのも必要です。メーリングリストは自分が望んでいる人ばかりが集まるのではなく、ときにはメーリングリストの雰囲気を乱したり、自分が意図しない活動に利用されてしまう場合があります。こうした事態を防ぐためには、最低限の禁止事項や注意をまとめたルールを作って参加者にアナウンスしなければなりません。
ルールはあまり堅苦しく考えなくて大丈夫です。作り方としてはつぎのようにするとよいでしょう。
・法律のような条項文にしない方がよい。箇条書きにまとめた方が読みやすく、堅苦しさも感じさせません。
・禁止事項は「禁止」とはっきりと明言しましょう。あいまいな表現は解釈の違いを生みトラブルの原因となります。
・最初からたくさんのルールを作らず、必要最低限にまとめましょう。活動中に追加や変更をすれば大丈夫です。
・何でも明文化しすぎないように。細かいことばかりにこだわりすぎると、それこそ分厚いルールブックのようになってしまいます。これでは、気軽に人が入会してくれなくなります。
それでは、どんな内容を盛り込むか、これだけはあってほしいというものを紹介します。
●商行為の禁止
基本的に営利目的のメールは禁止であることを明記するのが賢明です。商売目的に利用されてはせっかくのメーリングリストも台無しになります。
●誹謗・中傷の厳禁
これは必須。人の名誉を傷つけたり、プライバシーに関わる暴露行為は退会処分も行うといった追記をしてもかまいません。
●ネズミ講まがいの行為の禁止
これも必ず含めておきましょう。メーリングリストで自己利益を得るようなネズミ講まがいのメールが流れるのは不本意です。「流した段階で退会処分を辞さない」と明記してもかまいません。
●ダイレクトメールの禁止
こちらもメーリングリストであってほしくない行為です。趣旨に反した一方的な宣伝行為を繰り返すようであれば退会処分となる旨を書いておきましょう。
●他人の迷惑になる行為の禁止
これは必須。迷惑行為は実際にはケースバイケースですが、メーリングリストの雰囲気をかき乱したり、参加者に嫌がらせをする人に対して管理人は何らかの対処をしなければなりません。その意味で記載しましょう。
●法律に反する行為
メーリングリストで法律に反する行為をされては困ります。犯罪を起こすような行為や人に害を及ぼす行為はあってほしくありません。特に、コンピュータ関係や音楽関係のメーリングリストでは著作権に関する不正コピーの厳禁は盛り込んでおくとよいでしょう。
ローカルルール
メーリングリスト独自のルールをローカルルールといいます。必ず作らなければならないものではありませんが、趣向を凝らした雰囲気作りや、テーマとして取り決めておく方がよいと思うものがあれば、ローカルルールとして適用します。
ローカルルールについて、いくつか例を挙げてみました。
・本名明記
ハンドルネーム(ペンネームのこと)ではなく、本名で話をしたいときに適用します。議論など言動に責任をもってもらうときに有効です。
・物品譲渡や売買行為の禁止
参加者同士の金銭トラブルを招きやすく、必要に応じてこの措置をとった方がよいです。
・アルバイト募集の禁止
メーリングリストは格好の人材募集の場となりやすく、望まない場合は禁止した方がよいです。
・文責をつける
誰のメールかわからないと読む側も気分が良くありません。署名(シグネチャ)をつけることを義務づけ、文責をはっきりさせたいときは明言しておくとよいでしょう。
ルールができあがったら、入会案内文として登録しましょう。もし、長文になってしまうようであれば、ルールを記載したメーリングリスト紹介ページを作るのがよいです。メーリングリスト紹介用のホームページの作り方は、Step
20で取り上げます。
これでメーリングリスト開設前の準備は完了です。開設手続きをしてメーリングリストを作りましょう。いよいよ、管理人として本格的な活動に入っていきます。がんばりましょう。
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